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害虫の特徴と防除

ダニ(3) 室内塵性ダニとツメダニ

特 長

 人が活動する室内の塵埃には、チリダニ類、ツメダニ類、コナダニ類、ササラダニ類、ホコリダニ類、ニクダニ類など様々なダニ類が生息しています。中でも気管支喘息の原因種として知られるチリダニ類、刺咬性のダニ類として問題となるツメダニ類は重要です。
 チリダニ類は、室内塵から最も普通に検出されるダニ類で、人の垢やフケ、食品くずなどの有機物を餌としています。ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニの2種が主な種類です。どちらも死骸や脱皮殻、糞が気管支喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルゲンとなります。
 ツメダニ類は、非常に大きな触肢を持ち、その末端には大きな爪があり、狭角は小さく針状です。これらは他のダニや微小な昆虫を捕えて体液を吸収するのに適しています。偶発的に人の皮膚も刺すため、刺咬症の原因になります。
ミナミツメダニによる被害が多く、そのほかホソツメダニ、クワガタツメダニなどの種類も知られています。
 イエササラダニは室内に普通に生息しており、それ自体はあまり問題になりませんが、多発した場合にはツメダニ類の餌となって、その発生を助長させます。

防 除

 ヒョウヒダニ類は清掃と湿度管理(換気等)により、その発生を抑えることが可能です。また長期間家を留守にしたら帰宅後すぐに室内を換気するなど、普段もこまめに換気を行うようにします。年に2度くらい畳やカーペットを日光消毒すると効果的です。アレルゲン対策としては、清掃を徹底し、寝具を清潔に保つことが大切です。かゆい気がしたら家の埃の中にダニがいるか、業者に調べてもらいます。
 これらのダニの駆除は、市販の燻煙剤または全量噴射式エアゾールを処理します。これだけで充分な効果が得られない場合には、同時に除湿機などを併用して、湿度環境も改善させます。発生する前に、畳やカーペットなどの下に薬剤を含浸させた防ダニシートを敷いておくと、発生を抑制することができます。
 ツメダニ類も、その餌となる他のダニ類の増殖を抑えると少なくなりますから、同様な方法で対処できます。
 発生が多い場合には、市販の薬剤の処理だけでは不十分なこともあり、その場合には専門駆除業者に依頼します。業務用の防ダニシート、薬剤の空間噴霧処理、残留処理などを環境にあわせて使用し、防除します。大発生した場合には、熱乾燥処理、高周波誘電加熱処理、ガス薫蒸などを行うと駆除できます。