どんな虫にお困りですか?

害虫の特徴と防除

ダニ(5) 寄生性ダニ

特 長

 人に寄生するダニとして、ヒゼンダニやニキビダニが知られていますが、特にヒゼンダニが重要です。
 ヒゼンダニは人固有の寄生性ダニで、疥癬症の原因種として知られています。体長は 0.2〜 0.4mm、円い体型をしており、短い脚をもっています。
 通常の疥癬症では感染力はそれ程強くありませんが、重傷型のノルウェー疥癬では、100万〜200万ものヒゼンダニが生息し、寝具など等を介して感染し、大きな問題になります。若い成虫は皮膚表面に出て這い回り、雄は体表上に留まりますが、雌は交尾後、皮膚内に再侵入して坑道を穿り進みます。雌成虫は皮膚の中にトンネルを掘り、中で産卵し続けます。雌の寿命は約2ヶ月程度です。

防 除

 かゆみがヒゼンダニによるものかを確認することが先決ですので、疥癬症については皮膚科の医師の診断に従って治療を受けます。感染している人や、感染した人が着用していた衣服にはなるべく接触しないようにします。接触した場合には、まめに手を消毒石鹸で洗って、皮膚の清潔を保ちます。寝具や着衣についているヒゼンダニについては熱湯消毒によって駆除します。ベッド周りやトイレなど皮膚片が落ちやすいところには、ピレスロイド剤のエアゾールを噴霧します。