コナダニ類は食品害虫として有名で、主な種類はケナガコナダニです。体長0.5mm以下の後部に多数の毛がある白色半透明のダニです。乾物、調味料、パン粉、味噌、菓子類など多種の食品で発生することが知られています。好適な繁殖条件は25〜30℃、湿度75〜85%で、特に6月の梅雨時期には発生しやすくなります。
また新築家屋の畳に白い粉を撒いたように見える程大量に発生し、問題となることもあります。これは新築家屋ではコンクリートから蒸散される水分によって湿度が高くなり易いためだと言われています。人を刺すことはありませんが、大発生するとかなりの不快感を与えます。またそれを餌とするツメダニの発生を招き、ツメダニによる刺咬被害を助長します。
コナダニ類は清掃と温湿度管理(低温もしくは低湿度)により、その増殖を抑えることが可能です。場所によっては除湿機や乾燥剤も有効です。保存食品は乾燥が保たれる場所に保存し、開封した保存食品はなるべく早く使い切るか、乾燥剤とともに密閉性の良い容器にいれて保管します。ダニが発生した食品は廃棄します。
室内の畳などに発生した場合には、市販の燻煙剤または全量噴射式エアゾールを処理します。また畳やカーペットの下に「防ダニシート」を敷いておくと、ダニの繁殖を抑制できます。
発生が多い場合には、市販の薬剤の処理だけでは不十分なこともあり、その場合には専門駆除業者に依頼します。業務用の防ダニシート、薬剤の空間噴霧処理、残留処理などを環境にあわせて使用し、防除します。畳に発生した場合には、熱乾燥処理を行うと駆除できます。