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害虫の種別の説明

節足動物門 蛛形鋼 ダ二目 前気門亜目Prostigmata ツメダニ科 Cheyletidae

ツメダニ類 Cheyletidae

主な種類

ミナミツメダニ Chelacaropsis moorei BAKER
クワガタツメダニ Cheyletus malaccensis OUDEMANS
ホソツメダニ Cheyletus eruditus (SCHRANK)

害虫のカテゴリ

刺咬害虫、衛生害虫

形 態

 ツメダニ類は、非常に大きな触肢を持ち、その末端に大きな爪を有し、狭角は小さく針状。ミナミツメダニは体長0.3〜0.5mm、淡黄橙色〜桃色で、ほっそりしており、背板にウロコ状の模様が見られる。
 クワガタツメダニは体長0.3〜0.8mm、淡黄色。ホソツメダニは体長 0.7〜 0.8mm内外で、背面には四角形の背板が2枚ある。

分 布

 ミナミツメダニの分布は台湾、日本。国内の各地で見られるが、畳またはその原料ととも海外から移入されたものと考えられている。クワガタツメダニ、ホソツメダニは日本を含む世界中に分布する。

被 害

 ミナミツメダニの場合、被害は首筋や腹部、足などに集中して起こる。 小さな赤い腫れ(発赤丘疹)を生じ、それが多数になってジンマシンのように見える。 シラミダニの症状に似る。
クワガタツメダニは畳以外に食品からも見られ、それらを扱う際にも刺される。皮疹1箇所の直径はミナミツメダニでは3〜5mmであるが、クワガタツメダニでは5〜10mmに広がるという(吉川、1995)。

生 態

 ミナミツメダニは稲ワラで作られた比較的新しい畳床で発生する事例が多く、裏面がビニール張りやスタイロ畳で被害が多発する傾向がある。一戸建ての住宅よりもマンション等の集合住宅での被害例が多い。1979年以来多発している原因不明の虫咬症のほとんどは、これによるものと考えられている。
 卵から成虫までの成育日数は25℃、75%の飼育下で、雌が約27日、雄が約22日で、未受精卵から発育した成虫は全て雄となる(幸形ら,1990)。他のツメダニ類より小型であるが増えやすく、被害の生じる頻度が大きい。家屋内に生息するヒョウヒダニやササラダニを好んで捕食し、それらの生息数との間に、正の相関が知られている。
 ホソツメダニは温度27℃、湿度75%で、卵から成虫になるまで約20日間かかる(吉川、1995)。

防 除

詳しい防除方法は群のページをご覧ください。

ツメダニ

この害虫が属する群