ヒョウホンムシ類(ヒョウホンムシ科)はシバンムシ類に近縁の甲虫で、世界に約580種、日本には7種が分布しています。動物標本をよく食害するのが名前の由来で、やはり乾燥動植物質を食べる害虫として知られています。
ヒョウホンムシ類(ヒョウホンムシ科)は日本では4種類が家屋害虫として知られていますが、特にニセセマルヒョウホンムシとナガヒョウホンムシが比較的よく見られる種類です。これらも乾燥動植物質を食害します。
ネズミが家に発生していると、ネズミの死骸から多数発生することがあります。また殺鼠剤に混ぜた餌が発生源になることもありますので、長期間放置しないようにします。餌となりやすい乾物や乾燥食品などは密閉性の高い保管容器に入れて保管し、こぼれ落ちた食品屑などは早めに掃除します。ペットの餌も発生源になりますから、放置しておかないようにします。
剥製などの装飾品は日頃から注意が必要で、もし虫がついていたら、それをビニールで包み込み、その中に衣類害虫用の防虫剤を入れ、数ヶ月間は密封しておきます。
ヒョウホンムシ類やホシカムシ類はゴキブリ用の粘着トラップにもライトトラップにもよく捕獲されます。ただしニセセマルヒョウホンムシは飛べませんのでライトトラップには捕獲されません。これらはトラップだけで防除することはできませんが、成虫の早期の捕獲に役立ちます。
成虫に対してはピレスロイド系の殺虫剤を直接噴霧すれば殺虫できます。虫が発生した食品にはエアゾールを吹きかけてただちに廃棄し、周辺を清掃します。被害が広がっている場合には、市販の燻煙剤や全量噴射式エアゾールを室内に充満させます。しかし食品収納庫や棚の整理整頓と清掃によって発生源を除去することがやはり最も大切です。