どんな虫にお困りですか?

害虫の特徴と防除

食品の害虫(6) コクゾウムシ

特 長

 コクゾウムシ類は甲虫目オサゾウムシ科に属する昆虫で,コクゾウムシ、ココクゾウムシ、グラナリアコクゾウムシの3種がコメ,ムギ,トウモロコシなどの重要な害虫として知られています。日本国内では、この中でも特にコクゾウムシが最も一般的、かつ重要な貯蔵米の害虫となっています。
 コクゾウムシ類の3種は、いずれも体長2〜4mm程度、体色は赤褐色〜黒褐色で、ゾウの鼻のような長い口器を持っています。成虫、幼虫共に米などの穀粒を加害し、成虫は口器で穀粒に穴を開け、その中に卵を1卵ずつ産み、孵化した幼虫は穀粒内で成育します。
 コクゾウムシの生育期間は25℃条件下で卵〜成虫まで約1ヶ月を要し、成虫の寿命は100〜200日程度です。

防 除

 購入した米やその袋にコクゾウ類が付いていて、家庭内に持ち込まれ、そこから繁殖することがよくあります。長期間保存していると中で虫が繁殖し、気が付いた時には多数発生していることも多いので、なるべく長期間の保存を避けて、使い切るようにします。古くなった穀類で使用する見込みがないものは定期的に処分するなど、食品収納庫内の整理、整頓が必要です。また米びつの周辺に米やヌカが溜まっていると虫を誘引し、また発生源にもなりますので、日頃からよく清掃しておくことが大切です。
 虫を見つけたなら直ちに殺虫します。米びつの周辺にこぼれた米屑などは、エアゾールを噴霧してから処分します。ただし直接、食品や貯穀に噴霧することはできません。少量の発生ならば米を天日干しにすると、成虫が米から離れて逃避します。虫が見られた米はすぐに隔離し、米びつの中も洗浄するなどして、新しい米に移らないように注意します。なお卵、幼虫、蛹は米の中にいて動くことはできませんから、成虫と被害米をしっかりと処分すれば、新しい米には移りません。