節足動物門 昆虫綱 コウチュウ目 オサゾウムシ科 Rhynchophoridae
食品害虫、混入異物、不快害虫
体長2.1〜2.9mmで、褐色。ココクゾウムシはコクゾウムシと形態的に酷似するが、体長がやや小さく、上翅の斑紋の輪郭がより明瞭であることが多い。また触角第3節の長さと幅がほぼ等しく(コクゾウでは長い)、小楯板(上翅の付け根部分)が横長にならず、前胸背が前方に向かってあまり強く狭まらないなどの違いがある。幼虫は体長約2mmに達し、乳白色で卵型、脚は退化している。
全世界に分布し、日本でも全国に分布する。日本ではコクゾウムシよりも少ない。
コメ、ムギ、トウモロコシの世界的な重要害虫。特にコムギに対してはコクゾウよりも生育は早く、増殖率も高い。成虫、幼虫ともに穀類を加害する。
本種の生態はコクゾウムシと似ているが、飛翔できない点が大きく異なっている。日本にいる系統は飛翔能力がない。日本では年3〜4世代発生し、産卵数は約150卵。コクゾウムシと同じように、成虫は口器で穀粒に穴を明け、その中に卵を1卵ずつ産み、孵化した幼虫は穀粒内で発育する。25℃の温度条件で産卵されてから羽化まで約1カ月を要する。 幼虫は穀紛で発育できない。卵から成虫まで約1ヶ月を要し、コメよりコムギの方が発育が早い。成虫の寿命は100〜200日程度。
本種は屋外では生存できず、幼虫が穀粒内で越冬する。しかしこの虫が大量に発生すると、加害を受けた穀物は発熱現象を生じ、28〜29℃、時には38℃にも達することがある。この発熱現象によって、発育に要する期間が短縮され、冬期間にも幼虫は食害を継続するため、繁殖カは極めて大きなものとなる。
ココクゾウムシ