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害虫の特徴と防除

ハチ(3) ミツバチ

特 長

 ミツバチは、ハチ目、ミツバチ科に属する昆虫の総称です。日本には明治10年以来導入されたヨーロッパ原産のセイヨウミツバチと在来種のニホンミツバチの2種が分布しています。
ニホンミツバチはセイヨウミツバチより黒っぽい色をしています。どちらも日本全国に分布していますが、セイヨウミツバチは本州では完全な野外で越冬することはできません。どちらも花粉を媒介する益虫ですし、セイヨウミツバチは養蜂家にとっては大切な家畜ですので、生活に支障を与えない限りは、むやみに殺さないようにします。
 最近は都市部でもガーデニングや街路樹の花が豊富になってきているため、ミツバチ類が最近増えつつあります。公園の樹木の洞などのほか、庭の木の洞やベランダのコンクリートの割れ目、窓の戸袋、天井裏、土壁の間などにも巣を造ることが時々あります。普段は刺すことはありませんが、巣に刺激を与えると人を襲いますから、注意が必要です。
 4月末〜5月初めにかけて巣の中に新女王蜂が出現し、元々巣にいた女王蜂は巣の半数の働きバチとともに巣から離れ、分蜂(巣分れ)します。この際に、ボール状の塊になったハチの集団が野外の樹木上や家の壁に出現して大騒ぎになります。また夏〜秋に巣をスズメバチなどの外敵に襲われた時に、逃亡した群が空中を乱舞して驚かされることがあります。

防 除

 ハチの大群の塊(分封)に出会っても特に刺激を与えなければ刺されることはないので慌てないようにし、顔の近くを飛んでも手で振り払ったりしないようにします。数時間〜2日すればハチの塊は消失することが多いので、可能ならば様子を暫く見守ります。
早急に除去したい場合には、日没後に赤い照明の下に煙でいぶしながら蜂の塊に袋を被せて捕獲し、袋からもれた個体にはハチ用エアゾールを噴霧します。困難なようなら、専門業者に除去を依頼します。
 巣の駆除も同様にして観察し、もし出入り口などの構造が単純であったなら、出入り口を粘着テープやパテなどで封鎖し、小さな穴からスズメバチ用エアゾールを噴霧します。噴霧終了後も暫く完全に巣の出入り口を密閉しておきます。しかし巣の駆除は困難なことが多いので、なるべく専門業者に駆除の相談をします。
 屋内に侵入したハチは屋外に逃がしてやりますが、どうしても無理な場合にはハチ用のエアゾールを噴霧して殺虫します。
 時に刺されることがありますが、刺されたらステロイド軟膏を塗り、冷湿布します。個人差や程度にもよるので、状況によっては医師に見てもらいます。