どんな虫にお困りですか?

害虫の特徴と防除

ハチ(4) ベッコウバチ、アナバチ、ドロバチ

特 長

 ベッコウバチ類、アナバチ類、ドロバチ類は、それぞれハチ目のベッコウバチ科、アナバチ科、ドロバチ亜科(スズメバチ科)に属する昆虫の総称です。いずれもスズメバチ(スズメバチ亜科)のように攻撃的ではありませんが、家屋周辺に営巣して恐怖感を与え、巣を壊したり、誤って触れたりすると刺されます。家屋の床下や軒先等に巣を造り、泥などの巣材によって建材や家具などを汚染する被害を起こします。
 ベッコウバチ類は日本に80種以上が分布し、いずれもクモを狩ります。代表種のベッコウバチは7〜9月に出現し、小動物の穴や石垣の隙間、石の下など、毎年同じ場所に巣を造ります(松浦、1994)。
 アナバチ類は日本に200種以上が知られ、各種昆虫やクモなどを狩ります。代表種のアメリカジガバチは6〜9月に出現し、コンクリート壁や土壁などに長さ約10数cm、幅約4cmの細長い粘土の巣を造ります(松浦、1994)。
 ドロバチ類は日本に30種以上知られ、主にガの幼虫を狩ります。スズバチは8〜9月に出現し、家屋の壁や塀、柱などに粘土で巣を造ります(松浦、1994)。

防 除

 ハチの巣を見つけたらむやみに触らないようにします。害虫を食べる益虫なのであまり殺さない方が良いのですが、家屋の建材などに巣を造り、生活に支障をきたすようなら、殺虫せざるを得ません。巣およびその周辺にハチ用のエアゾールを噴霧すれば、巣の放棄または殺虫することができます。毎年同じ場所に巣を造る種類もいるので、一度巣を造られた場所には、予め春にこのエアゾールを吹き付けておいて巣造りを予防します。
 刺された際にはステロイド軟膏を塗リ、患部を冷湿布します。個人差がありますから、状況によっては病院で診察を受けます。