どんな虫にお困りですか?

害虫の特徴と防除

ハチ(1) スズメバチ

特 長

 スズメバチは、ハチ目、ススメバチ科、スズメバチ亜科に属する昆虫の総称で、日本国内に3属16種が分布しています。オオスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタスズメバチ、クロスズメバチなどがよく見られます。
刺されると激しい痛みと腫れを引き起こしますが、蜂毒にアレルギー体質の人は、ショック死することがあります。国内では毎年多くの死者が出ており、その意味ではクマ等の大型獣による被害をも超える、最も要注意の害虫獣といえます。
 スズメバチは典型的な社会性昆虫で、1匹の女王バチと数十〜数千の働きバチが1つの巣の中におり、雄バチは交尾の時期に発生します。巣の形状は種類によって様々で、木や人家の軒先、壁などに作るもの、土中に営巣するものもあります。
 働きバチが羽化しだすと女王バチは産卵に専念し、その後は巣は次第に大きくなります。秋には巣が最も大きくなり、新女王バチと雄バチが生まれます。新女王バチはしばらく巣にとどまった後、巣立ちし、交尾後越冬に入ります。なお、残ったその他のハチたちは死滅して冬を越すことはできません。
 人への被害は巣が大きくなった秋に多く発生します。誤って巣に近づいて刺激を与えると、巣を守ろうとして攻撃してきます。近年は、住宅地が丘陵地域にまで広がってきたことや、人家の周りの昆虫が多様で缶ジュースの残渣などの餌も豊富なことから、スズメバチが増え、人と接触する機会が増加しています。それにしたがってスズメバチによる刺傷事故も全国的に増加傾向にあります。

防 除

 空梅雨の年は発生が多い傾向がありますから、その年の秋には特に注意が必要です。発酵した果汁の臭いに集まってくるので、家の周りにジュースの空き缶等を放置しておかないようにします。庭の植物につくアオムシや毛虫などを狙って来ることがあるので、これらを定期的に駆除しておきます。
 屋内に侵入したスズメバチはなるべく屋外に逃がしてやりますが、どうしても無理な場合にはハチ用のエアゾールを噴霧して殺虫します。
 家屋の周辺に巣があって、普段の生活に危険を与える場合には、スズメバチ駆除用のエアゾールが市販されていますので、取り扱い上の注意をよく読んで使用して下さい。特にスズメバチの場合には、対象害虫にスズメバチと明記されているエアゾールを使用します。屋外でスズメバチが威嚇してきた時にも、スズメバチ専用の殺虫剤エアゾールを噴射します。一度造った巣の周辺にまた巣を造る傾向があるので、翌春はその周辺や巣を造りそうな場所にもハチ用のエアゾールをよく吹き付けておき、造巣を予防します。  刺された時の症状には個人差があり、刺されたらすぐに患部から毒を絞り出して、なるべく医者の診断を受けます。症状が軽い場合には、患部にステロイド軟膏を塗り、冷湿布します。