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害虫の特徴と防除

ハチ(2) アシナガバチ

特 長

 アシナガバチは、ハチ目、スズメバチ科、アシナガバチ亜科に属するハチの総称です。日本にはフタモンアシナガバチ、セグロアシナガバチ、キアシナガバチなど11種が分布しています。
 アシナガバチは女王バチだけが越冬し、最初は女王バチが単独で巣を造り、その後は働きバチが発生して巣を拡大させ、晩夏に雄バチと新女王バチが羽化します。巣が使われるのは1年限りです。農作物や園芸植物を加害するアオムシや毛虫を捕食するので、益虫でもあります。しかし、巣に刺激を与えると、攻撃してきます。
 尾端の毒針に刺されると強い痛みと腫れを生じます。普通は数日後に回復しますが、アレルギー体質の人は、全身症状を呈することがあり、2回目以降は死亡することもあります。

防 除

 空梅雨の年は発生が多い傾向がありますから、その年の秋には特に注意が必要です。庭の植物につくアオムシや毛虫などを狙って来ることがあるので、これらを定期的に駆除しておきます。
 屋外でアシナガバチが威嚇してきた時には、ハチ用エアゾールを噴射します。屋内に侵入したハチはなるべく屋外に逃がしてやりますが、どうしても無理な場合にはハチ用のエアゾールを噴霧して殺虫します。
 垣根や庭木、家屋の周囲などに巣があって、普段の生活に危険を与える場合には、ハチ用またはスズメバチ用エアゾールを吹き付けて巣を駆除します。使用する前には必ず商品説明をよく読んでから使用するようにします。一度造った巣の周辺にまた巣を造る傾向があるので、その周辺や巣を造りそうな場所にはハチ用のエアゾールを吹き付けておくと、造巣を防ぐことができます。
 アシナガバチに刺された時の症状には個人差があり、刺されたらすぐに患部から毒を吸い出し、なるべく医者の診断を受けます。症状が軽い場合には、患部にステロイド軟膏を塗り、冷湿布します。