節足動物門 昆虫綱 ハチ目 スズメバチ科 Vespidae アシナガバチ亜科 Polistinae
フタモンアシナガバチ Polistes chinensis antennalis PEREZ
セグロアシナガバチ Polistes jadwigae DALLA TORRE ほか
刺咬害虫、有毒害虫
アシナガバチ類は体長11〜26mmのものが多く、フタモンアシナガバチは14〜18mm、セグロアシナガバチは21〜26mm。いずれも黒色に黄色の紋があり、腹部は黄色と黒の縞模様を呈する。スズメバチ類(スズメバチ亜科)より体がほっそりしている。
フタモンアシナガバチは北海道〜九州に分布し、セグロアシナガバチは本州以南から沖縄に分布。
本州の民家周辺で比較的見られるアシナガバチ類には10種類程度ある。
スズメバチに次いで、人が刺される被害が多い。刺されると、多くの場合には痛みと腫れが生じ、数日間後に回復する。しかし蜂毒にアレルギーの人は血圧低下、発疹、嘔吐などの全身症状が発現し、2回目以降は死亡することもある。
スズメバチよりもほっそりとした体型で、飛ぶときに脚をだらりと下げながら飛ぶ。集団で生活するが、スズメバチのように数百にも達するコロニーを作ることはない。種により決まった形の巣を作るため、巣の形から種類を同定することができる。
越冬後に女王蜂が単独で巣を造り、続いて働きバチが羽化し、晩夏に雄蜂と女王蜂が羽化する。巣は1年だけ使用し、新女王だけが越冬する。幼虫の餌は各種の昆虫で、農作物や庭木の害虫のアオムシやケムシの天敵でもある。