どんな虫にお困りですか？

衛生害虫、不快害虫、混入異物、文化財害虫、書籍害虫、電気機器害虫、アレルギー

　体長30〜38mmで、全体的に茶褐色。ワモンゴキブリに似ているが、前胸背の黄褐色環状紋は形が不明瞭で、体型はクロゴキブリやコワモンゴキブリに近くずんぐりしている。翅は雌雄ともに僅かに尾端を超える程度の長さである。

　世界共通の害虫種で、アフリカ原産といわれ、通常は熱帯、亜熱帯地方に分布している。国内では小笠原諸島、種子島、屋久島、奄美大島、沖永良部島、宮古島、長崎県諫早、愛媛県三崎などで記録され、このほか、福岡、大阪、名古屋、東京の大都市地下飲食街などで生息が確認されている。寒さに弱いため、地下街や飲食店など年間を通して高温な場所に定着する。

　見た目が不潔で嫌悪感を与え、集合している様子はさらに不快感や恐怖感を抱かせる。そればかりか食中毒菌をはじめ各種の病原微生物を体表面や脚、排泄物などを通じて伝播する。また食品に迷入して混入事故となったり、電気機器類に多数侵入した場合には故障を引き起こす。排泄された糞が染みとなって汚染する。また和紙を食害し、古書や古い屏風などが被害を受ける。一般にゴキブリの死骸や糞はアレルゲンであり、吸い込むとアレルギー性喘息などの原因になる。

　成虫の寿命は7〜8ヶ月で、24〜27個の卵が入った卵鞘を4〜6日間隔で一生の間に30回以上も産む。幼虫期間は、好適な温度条件では約6ヶ月である。雌は、雄と交尾しなくても繁殖が可能である（単為生殖）。産卵された卵鞘の9％が孵化し、その約1/3が成虫となったという（緒方、1988）。

詳しい防除方法は群のページをご覧ください。