どんな虫にお困りですか?

害虫の特徴と防除

衣類の害虫(1) イガ

特 長

 衣類などの繊維製品を加害する主な害虫としては、ガの仲間のイガ類と、甲虫のカツオブシムシ類がありますが、ここではイガ類について取り上げます。イガ類は、イガとコイガの2種が主な害虫です。
 これらの幼虫は動物性繊維の主成分であるケラチンを消化できるため、毛織物、絹織物などの動物繊維、羽毛、皮革などを好んで摂食します。また、ナイロンなどの化学繊維や綿なども、汗や食品などで汚染された箇所を食害します。たとえ摂食量が僅かであっても、装飾品や衣料品の品質に与える影響は非常に大きなものとなります。
 イガ類はカツオブシムシ類と異なり、幼虫期間が短く、年に何回も発生を繰り返すという特徴があります。餌となる洋服が入った箱の中で、羽化した成虫はすぐに交尾・産卵を行うため、箱の中で世代が繰り返され、気づくと大きな被害になっています。

防 除

 近くにツバメやスズメなどの鳥の巣がある家では要注意で、洗濯物を取り込む際には、虫が付着していないかをよく確かめます。
 イガ類の卵は比較的落下しやすいので、よく払うようにし、ブラッシングも有効です。ドライクリーニングやアイロンも効果があります。また室内を掃除機などでよく清掃することも大事です。
 衣類害虫は汚れが付着した衣類を好むので、汚れた衣類はなるべく早く洗濯します。保管したままの衣類は時々様子を見て、風通しをすると良い。もし虫が発生している衣類が見つかったならば、隔離して速やかに廃棄処分します。タンスや保管箱の中で幼虫を発見したら、つぶすか、エアゾールを噴霧します。室内を飛翔する小さなガがいたら不快害虫用のエアゾールを噴霧してすぐに殺虫します。ツバメやスズメの巣がある近くのベランダや窓周辺で小さなガを見たら注意し、もしイガ類であったらエアゾールを噴霧します。
 タンスや押入れの中には、蒸散性の家庭用衣類防虫剤、防虫プレートを設置することによって、成虫の侵入や産卵、幼虫の食害を予防することができます。イガ類は年に何回も発生しますが、カツオブシムシ類より薬剤には弱いので、防虫剤は一年中有効です。
 貴重なものが広範囲に加害されている場合には、専門業者に依頼します。

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