ツチハンミョウ類はコウチュウ目、ツチハンミョウ科に属する昆虫で、日本には15種類が分布しています。
いずれの種類も体長1〜3cm、藍色で腹部が非常に大きく、飛ぶことはできません。幼虫はハナバチの巣に寄生し、成虫は林床や草地を徘徊します。
カミキリモドキより多量の猛毒カンタリジンを体液に含んでいますが、飛翔できないので、これまでカミキリモドキ類ほど問題になっていませんでした。しかし近年、多数のヒメツチハンミョウが新築の建物に誘引されて歩行侵入した事例が知られています。
ツチハンミョウ類に不用意に触れると水泡性皮膚炎になるので注意が必要です。
ツチハンミョウは独特の色と形態をしていますから、特徴をよく覚えておき、注意して接触を避けることが大切です。野外で見かけてもむやみに殺す必要はありません。
しかし屋内で侵入した場合には、直接、素手で触らないように注意して屋外に摘み出すか、不快害虫用エアゾールを噴霧して速やかに殺虫します。虫の死骸や分泌物にも有毒成分が含まれていますので、死虫を扱う時にも素手で触らないように注意して処分します。玄関やドアの近くにゴキブリ用の粘着トラップを設置すると捕獲されます。
よく侵入する建物では、昼には周囲の石の下などに潜んでいることが多いので、そのような場所を探して不快害虫用エアゾールを噴霧して殺虫します。
もし、虫体に触れたり、体液が皮膚に付いた場合には、すぐに水でよく洗浄します。皮膚に水ぶくれができてしまったら、やけどと同じ様な処置をとります。