節足動物門 昆虫綱 コウチュウ目 カミキリモドキ科 Oedemeridae
アオカミキリモドキ Xanthochroa waterhousei Harold
キクビカミキリモドキ Xanthochroa atriceps Lewis
キイロカミキリモドキ Xanthochroa hilleri Harold
ハイイロカミキリモドキ Eobia cinereipennis (Motschulsy) ほか
有毒害虫
カミキリムシのような細長い体を有する小型のコウチュウ類。 日本では約40種が生息するが、そのうちの21種が有毒種とされている。
アオカミキリモドキの成虫は、体長10〜16mm、頭胸部や触角および脚は黄橙色、複眼は黒藍色、鞘翅は青緑色で金属光沢を帯びる。
最普通種のアオカミキリモドキは北海道、本州、四国 九州、屋久島、朝鮮半島、樺太に分布し、平地・山地を問わず広く生息する。
有毒種は卵、幼虫、蛹、成虫すべての体液にカンタリジンという血管刺激物質を含む毒液を有するが、問題とされるのは夜間灯火に飛来する成虫で、アオカミキリモドキのほか20数種類が知られている。一般には、これらをまとめて、ヤケドムシやデンキムシなどと呼ばれている。火傷によく似た浸出性炎症(水ぶくれ)を引き起こすところから、広義の衛生害虫に含まれる。
初夏から盛夏にかけて、夜間灯火に誘われて人家内に飛来し、身体に止まった虫を知らずに潰したり刺激すると、毒液を分泌し炎症を起こす。症状は、2〜6時間で痛みと水ぶくれを生じ、やがてこれが破れて乾燥するとともに、カサブタができてかゆみを伴い、2週間前後で治癒する。
アオカミキリモドキは年1世代で、成虫は5月から7月、初夏の頃に多く出現する。野外の朽木などから発生し、成虫は各種の花に集まる。
卵は、50〜200粒の卵塊として朽木や落葉下などに産み付けられ、1〜2週間で孵化する。
幼虫は、腐朽した材や腐植物を食べて成長し、およそ1年で成熟して蛹化する。