どんな虫にお困りですか?

害虫の種別の説明

節足動物門 昆虫綱 チョウ目 メイガ科 Pyralidae

その他

主な種類

スジコナマダラメイガ Ephestia kuehniella ZELLER
スジマダラメイガ Ephestia cautella (WALKER)
カシノシマメイガ Pyralis farinalis (LINNE)
コメノシマメイガ Aglossa dimidiata (HAWOREH)

害虫のカテゴリ

食品害虫、混入異物、不快害虫

形 態

 スジコナマダラメイガは前翅長3〜13mm、スジマダラメイガは前翅長6〜10mmで、共に灰色で良く似たガであるが、前者では前翅の横帯がジグザグ模様であることで区別できる。
 カシノシマメイガは前翅長が9〜14mmで、変異幅が大きく、一般に雄は小さい。前翅の基部および先端には紫赤色斑があり,中央部は汚黄色、白色の横線があり、極めて独特な色彩模様をしている。
 コメノシマメイガは前翅長が9〜14mm、褐色に薄褐色の複雑な模様がある。幼虫は、コメノシマメイガは黒色であるが、他の種類はいずれも白色〜淡黄色である。

分 布

 スジコナマダラメイガ、スジマダラメイガとも世界中に分布するが、前者は冷涼な地域、後者は暖かい地域に多い傾向がある。カシノシマメイガは全世界に分布しているが、コメノシマメイガは主に東アジアに分布している。4種いずれも日本ではほぼ全国に分布している。

被 害

 スジコナマダラメイガ、スジマダラメイガとも米ヌカや小麦粉などの穀粉、穀類、クッキーやチョコレートなどの菓子類、飼料やペットフードなど、多くの食品を食害する。
 カシノシマメイガ、コメノシマメイガは古くなった穀粉や飼料、変質した食品から発生することが多い。これらは食品や原料の加害のほか、食品に虫体が迷入して混入異物となることも多い。

生 態

 これらのメイガ類は、穀粉をはじめ菓子類、飼料やペットフード、変質した食品などから発生する。スジコナマダラメイガはハチの巣の中から、カシノシマメイガ、コメノシマメイガは、乾燥した鶏糞や鳥の巣な中からも見つかる。
 スジコナマダラメイガは穀粉、飼料などを好み、小麦粉を与えて飼育すると卵から成虫羽化まで50日程度である。成虫の寿命は約7日で、約460個の卵を産む(井村、1985)。
 スジマダラメイガは貯穀、乾燥果実、豆類、お菓子まで幅広く食するが、製粉工場や飼料工場などで発生する。夏季には卵から成虫羽化まで40〜45日かかり、1年に3〜4回発生を繰り返す。
 カシノシマメイガは、穀粉や菓子類などを糞と共に糸で絡めて巣のようなもの造って中に潜み、その周辺を食害する。年に2〜3回発生する。
 コメノシマメイガも穀粒や糞などを粗く糸で綴ってその中に潜み、周囲を食害する。これらのメイガはいずれも幼虫で越冬する。

防 除

詳しい防除方法は群のページをご覧ください。

特記事項

 長期間保存する食品は、密閉容器に入れて乾燥が保たれる場所に保管する。発生源となった食品は廃棄し、それを置いてあった場所には殺虫剤のエアゾールを噴霧する。被害が広がっている場合には、燻煙剤または全量噴射型エアゾールを室内に充満させる。しかし、清掃によって、発生源を除去することが最も大切である。

カシノシマメイガ(成虫)

この害虫が属する群