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害虫の種別の説明

節足動物門 昆虫綱 チョウ目 メイガ科 Pyralidae

ノシメマダラメイガ Plodia interpunctella (Hübner)

害虫のカテゴリ

食品害虫、混入異物、不快害虫

形 態

 前翅長は6〜8mm。前翅は内半が黄白色で、外半には赤褐色と灰褐色の縞模様がある。後翅は灰白色で半透明。幼虫は成熟して8〜10余mmに達し、淡黄白色である。蛹は体長約7mmで、橙黄色〜褐色であり、長さ12mm程度の半透明な繭の中に入っている。卵は乳白色楕円形で長径0.4mm前後。

分 布

 世界共通種。日本でも全国に分布する。

被 害

 米ヌカや小麦粉などの穀粉、穀類、乾燥果実、コーヒー豆、調味料、クッキーやチョコレートなどの菓子類、飼料やペットフードなど、極めて多くの食品を食害する。菓子やインスタント食品の袋や包装パッケージを穿孔し、中に入り込んで食べることもある。食品や原料の加害のほか、食品に虫体が迷入して混入異物となることも多い。時に、装飾品のドライフラワーなども加害することがある。

生 態

 穀粉をはじめ、穀類、乾燥果実、菓子類などきわめて多くの食品から発生する。また飼料やペットフード、時にはドライフラワーなどからも発生する。穀粒では胚芽部を好んで摂食するため、玄米が白米のようになる。自然状態では鳥や蜂の巣から発見されている。
 国内における発生は、北日本で年2回、南日本で4〜5回と考えられるが、発生経過は極めて不規則で、暖房のきいた屋内では、常に卵から成虫までが混在して見られる。暖地では、3月下旬より10月下旬まで成虫の飛翔が見られる。野外環境に近いところでは、幼虫が休眠して越冬する。夏期においては、卵期は数日、幼虫期は22〜45日、蛹期は約1週間で、気温が低下すると各期間が延長される。成虫寿命は2週間程度で、その間に何も摂食せずに交尾、産卵を行う。成虫は、幼虫の餌やその周辺に、200個前後の卵を点々と産む。
 幼虫は、糸を吐いて穀粉などの餌を綴って摂食を続けるが、密度が大きいとその表面は薄絹を被せたようになる。また白い穀粉を食べてもノシメマダラメイガの糞は赤いので、比較的よく目立つ。そのため加害食品に糸と赤い糞が見られた場合には、本種によるものと推定される。 

防 除

詳しい防除方法は群のページをご覧ください。

特記事項

 長期間保存する食品は、密閉容器に入れて乾燥が保たれる場所に保管する。発生源となった食品は廃棄し、発生源となった食品を取り除いた後に、それを置いてあった場所に殺虫剤のエアゾールを噴霧する。被害が広がっている場合には、燻煙剤または全量噴射型エアゾールを室内に充満させる。しかし、清掃によって、発生源を除去することが最も大切である。

ノシメマダラメイガ(成虫)

この害虫が属する群
この害虫のグループ
  • ノシメマダラメイガ Plodia interpunctella (Hübner)
  • その他