環形動物門 ヒル綱 ヒル目 ヤマビル科
吸血害虫
体色は茶色で背面に縦の3本の模様を持つ。また、体に前後両端の腹面に吸盤を持ち、体を伸縮させることで移動する。体長は通常2cmだが、伸びた状態だと5cmほどになる。
本州、四国、九州の山地と奄美諸島、八重山列島に見られ、渓流沿いや吸血対象の近くで多く見られる。
体外に吸着して、吸血する。その際に血液の凝固を阻止する「ヒルジン」という物質を出すため、本人は吸血されていることに気づかず、止血までに時間を要する。
5月から10月(特に6月〜7月)気温が25℃以上で雨が降っているときや、雨上がりに特に多く見られる。11月〜4月は土壌、コケ、落葉、石の下などで越冬を行う。サル、シカ、ウサギ、カモシカ、タヌキなどを吸血対象とし、1回の吸血から産卵、孵化までは約2か月を要す。雌雄同体のため、単体でも繁殖が可能で、産卵の際、卵は卵のうと呼ばれる袋状の卵膜に包まれており、1つの卵のうで1〜8個体生まれる。1回の産卵卵のう数は1〜9個。