節足動物門 蛛形綱 ダニ目 中気門亜目 オオサシダニ科 Macronyssidae
衛生害虫、吸血害虫、ペット害虫
体長0.7mm、汚白色で長卵形をしているが、吸血後には体長1mm以上となり、体色は赤褐色〜黒褐色に変化する。
日本を含む世界中に分布する。
ネズミのほかに人からも吸血し、吸血されると皮疹の直径は3〜10mmになり、かなりの痒みが生じる。刺される部位は脇、腹や腰部、陰部、太股や足首など皮膚の柔らかいところが多く、その際非常にはげしい痒みを伴い、中には刺された跡の痒みが何日も続くこともある。各種の線虫や病原菌、リケッチアやウイルスなどを媒介することが知られ、衛生上極めて危険な種である。
家屋内では主として、クマネズミなどの巣内に生息する。ネズミが多数生息している場所や、寄主が巣に戻って来なかった時など、人間や他の動物から吸血することがある。初夏から秋にかけて多いが、冬でも被害がでる。
発育は、卵、幼虫、第一若虫、第二若虫、成虫と進み、8月頃で4日間、9月下旬で5〜6日間、11月で2〜3週間を要する。22℃で飼育すれば、1週間余で成熟する。雌は1度の交尾だけで一生産卵を続け、1回の吸血で4〜21粒、生涯に120卵内外を産む。雌雄とも第一若虫と成虫が吸血し、炭酸ガスに反応して行動を起こす。第一若虫は活発に行動するが、その前後の幼虫と第二若虫は殆ど動かず、休息期と考えられ、それぞれの期間も短い。単為生殖を行い、未交尾で雄に発育する卵を産むことができる。未吸血で2週間ほど生存できるが、冬季はさらに長期間生存できる。
被害のあった部屋とその天井裏に燻煙殺虫剤をまく。消毒するまでその部屋を使わない。