節足動物門 昆虫綱 チャタテムシ目 コナチャタテ亜目 Troctomorpha コナチャタテ科 Liposcelidae
カツブシチャタテ Liposcelis entomophilus Enderlein
ソウメンチャタテ Liposcelis kidderi (Hagen)
ホンチャタテ Liposcelis simulans Broadhead
ウスグロチャタテ Liposcelis corrodens (Heymons)
不快害虫、食品害虫、混入異物、書籍害虫、文化財害虫
カツブシチャタテは雄0.9〜10mm、雌1.3〜1.5mm。淡黄色で、頭と胸はやや濃色、腹部の各節に褐色の横帯がある。
ソウメンチャタテは雄0.7〜0.9mm、雌1.0〜1.1mm、灰色〜褐色。カツブシチャタテより、ほっそりしている。
ホンチャタテは雄1.2mm、雌1.1〜1.4mm、淡褐色で、頭部がやや濃色。ソウメンチャタテに似るが、体表面の微細な彫刻の顆粒は、より大きい(田中、1995、1996)。
ウスグロチャタテは雄0.8〜0.9mm、雌1.0〜1.2mm、淡褐色〜暗褐色、腹部の各節前半は暗褐色〜黒褐色。
カツブシチャタテとホンチャタテは全世界に、ソウメンチャタテは日本とヨーロッパ、ウスグロチャタテは日本、ヨーロッパ、チリに分布。4種とも日本全国に分布する。
カツオブシ、ビスケット、キャラメル、チョコレート チーズ、その他乾燥食品を中心とした多くの食品から発生する。食品以外にも動植物標本を食害する。古くなった書籍や畳、高湿度の部屋の壁紙やその糊からも多数発生して、不快にさせる。また、食品や飲み薬などに混入する害もある。
一般の家屋内に普通 に生息しており、書籍の間や畳の隙間などに良くみられる。屋内に生えたカビ類を摂食して繁殖するが、穀粉や細粉状の食品の破片、書籍や壁紙の糊なども食する。その消化管内には多くのカビの胞子を有している。エビオス(乾燥酵母)を用いて、産卵から成虫に至るまで飼育でき、卵から成虫までの期間はおよそ3〜4週間である(田中、1995)。ヒラタチャタテとほぼ同じような生態と考えられる。
カツブシチャタテ