節足動物門 昆虫綱 ハエ目 ショウジョウバエ科 Drosophilidae
キイロショウジョウバエ Drosophila melanogaster MEIGEN
不快害虫、混入異物、
体長5mm以下、殆どの種類は2〜3mm。体色は黄褐色から赤褐色のものが多いが、黒褐色の種も存在する。一般に複眼は赤く、触角第3節は円形〜楕円形、端刺は羽毛状である。
ショウジョウバエは日本全国で最も普通に見られる。最近はよく似た帰化種のオナジショウジョウバエが増加しつつあるが、好んで建物内に侵入するのは前者であるという。
1匹でも目にまとわりついて不快にさせたり、時に目に入ることもある。また夜間照明に多数飛来すると不快である。果汁、パン、乳製品などの工場、酒、醤油、味噌などに誘引され、食品に混入することも多い。また食品衛生上も重要な害虫である。
ショウジョウバエはコバエ類の中では最もよく研究され、世界から2500種、日本国内では311種が知られている(戸田、2014)。中でもキイロショウジョウバエは、遺伝学でも有名で、中学校の生物の教科書にも扱われているため、一般になじみが深い。体長は2〜4mm程度、体は黄褐色〜黒褐色で、赤い目を持つことや酒に好んで集まることから、顔の赤い酒好きな妖怪「猩々」にちなんで名付けられた。
春から秋にかけて野外や人家で普通に見られ、腐敗した果物、ゴミ箱内の植物質、ぬか味噌、イーストにより発酵した腐植物などに集まり、またこれらが主な発生源となる。また醗酵した樹液、熟果、あるいはキノコなどにも強く誘引される。 一般家庭の台所でも稀ではなく、特に果物の残りかすなどには多数集まり、棚に置き忘れていた果物が過熟して、そこからショウジョウバエが発生した事例もある。クロショウジョウバエは、ビール工場で大発生した記録がある。回収ビンの残液に幼虫が発生したのが原因という。また、貯木場に浮かべられた丸太の腐った樹皮から、しばしば大量発生する。
キイロショウジョウバエの生育期間は、25℃で、卵期間1日、幼虫期間4日、蛹期間4日。寿命は1月程度で、その間に500個以上の卵を産む。
ヒョウモンショウジョウバエ