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害虫の特徴と防除

ハチ(5) クマバチとマルハナバチ

特 長

 クマバチは、ハチ目、コシブトハナバチ科の1種で、単独性ハナバチ類に属しています。体長21〜23mmで、体は光沢ある黒色で、胸部は黄色毛を密生しています。成虫は4〜11月に出現し、5月頃から巣を造り始めます。巣は通常、枯れ木や竹筒に造りますが、しばしば庭の竹垣や家屋の壁板や垂木にも穴を開けて巣を造ります。穴を開けられた木材は強度が低下し、腐食が早まります。成虫は数年の寿命があり、毎年同じ巣を繰り返し使うようです。成虫はフジなどのマメ科植物の花によく訪れ、成虫・幼虫ともに花の花粉を餌としています。素手で掴むと刺されて激痛を覚えますが、何もしなければ刺しません。
 マルハナバチ類はハチ目、ミツバチ科、マルハナバチ亜科に属する昆虫の総称です。社会生活を営み、巣は土中に造ることが多いのですが、倒木の下や物置小屋の中などにも巣を造ります。花の蜜と花粉を食物とし、花粉媒介昆虫として知られています。
 トラマルハナバチは体長2cmほどの黄金色の毛に覆われたハチで、家屋周辺によく見られます。体も羽音も大きいので、恐怖感を与えますが、攻撃性は弱く、何もしなければ人を襲うことはありません。日本産では最も大きな巣を造ります。

防 除

 クマバチ、マルハナバチ類は、素手で捕らえたりしない限り刺されませんから、飛び回っているものは静かに見守ります。庭に枯れ枝や古い木材、竹材などが放置されていると、そこにクマバチが巣を作る可能性があるので、日頃から必要ないものは廃棄しておきます。
 家屋の木材部や物置小屋の中などにクマバチやマルハナバチが巣を造ることがあり、その場合にはそこにハチ用のエアゾールを散布すると巣の放棄させたり、殺虫することができます。一度巣を造った場所には毎年巣を造る傾向がありますから、このような場所には予めハチ用のエアゾールを吹き付けておけば、巣を造られません。