どんな虫にお困りですか?

害虫の特徴と防除

徘徊する不快な虫(4) ゴミムシ

特 長

 ゴミムシはオサムシ科に属する昆虫の総称で、日本では1000種以上が知られています。大きさも数mmから数cmまで様々で、黒色のものが多いが緑や藍の金属光沢を持つ種類もあり多彩です。湿地、樹上、海浜、洞くつ、草地や河原など生息環境が特有の種類も多く、環境指標にもなります。多くは地表を徘徊しながら生活し、翅が退化して飛べなくなった種類もあります。飛べない種類群では系統の分化が著しく、孤立した島のような場所では、固有種となりやすい傾向があります。
 多くのゴミムシは人間の生活とは無縁ですが、防御のために毒液を放つもの(オサムシ類)、家屋周辺に生息して照明に飛来たり徘徊して家屋に侵入するもの(ゴモクムシ類、その他のゴミムシ類)、強烈な悪臭を放つもの(ホソクビゴミムシ類)などが不快な虫として挙げられます。

防 除

 日頃から家屋の周辺の雑草は除草し、落葉などが溜まっていたら清掃し、風通しを良くしておきます。庭や床下に暗くじめじめした環境を作らないようにすることが大事です。
 屋内に虫が侵入する場合には、建物の周りに不快害虫用の粒剤を帯状に散布しておきます。屋内への侵入口には不快害虫用エアゾールを吹き付けておきます。
 春〜夏にかけては、網戸やサッシなどによって侵入を防ぎます。外壁や窓ガラスには、防虫忌避効果のあるエアゾールまたはスプレーを吹き付けておきます。光に誘引されるので原因となる照明を消すか、紫外線をあまり出さない照明、または黄色い光に変えます。窓ガラスから出る光が原因となっている場合には、近紫外線を遮断するフィルムをガラス面に貼ると飛来を抑えることができます。虫の数があまりにも多い場合には、ライト周辺の外壁などにガ用エアゾールを吹き付けておきます。また外に光が漏れないような場所に、ライトトラップを設置し、集まってきた虫を捕殺します。
 屋内に侵入した場合には、直接、素手で触らないように注意して屋外に摘み出すか、市販の不快害虫用エアゾールを吹き付けて殺虫します。家に入り込んできたものに対してはゴキブリ捕獲器を置いておけばよく捕まります。虫には素手で触らないようにし、液や臭いが付いた時には早めに石鹸をつけてよく洗います。