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害虫の種別の説明

節足動物門 昆虫綱 ゴキブリ目 チャバネゴキブリ科 Blattellidae

キョウトゴキブリ Asiabatta kyotensis (Asahina)

害虫のカテゴリ

衛生害虫、不快害虫、混入異物、文化財害虫、書籍害虫、電気機器害虫、アレルギー

形 態

 体長15〜18mm、体は全体的に光沢のない茶褐色。雌雄ともに翅は腹端まで達するが雌はやや短く、前翅の前縁基部に黄条があり、幼虫も全体が濃茶褐色である。チャバネゴキブリ科では大型の種類。

分 布

 京都、新潟、福岡、佐賀、神奈川、韓国で発見され、1976年に新種として発表された。その後、愛知、和歌山、兵庫、大阪、能登、東京、宮城なども見つかっている。

被 害

 見た目が不潔で嫌悪感を与え、集合している様子はさらに不快感や恐怖感を抱かせる。そればかりか食中毒菌をはじめ各種の病原微生物を体表面や脚、排泄物などを通じて伝播する。また食品に迷入して混入事故となったり、電気機器類に多数侵入して故障を引き起こす。排泄された糞は染みとなって汚染する。一般にゴキブリの死骸や糞はアレルゲンであり、吸い込むとアレルギー性喘息などの原因になる。

生 態

 キョウトゴキブリは屋外生息種であるが、屋内に侵入し害虫となる。食品工場、食品市場、食品店、食堂、観光地土産物店などでの発生事例が知られている。
 成虫は初夏に出現し、産卵を開始し、夏までに孵化した幼虫は大型幼虫にまで成長して越冬し、翌年成虫になる。この時成虫にならず、あるいは過剰脱皮して再度越冬することもある。秋に孵化した幼虫は、ある程度成長した状態で越冬し、翌年大型幼虫になるが羽化せず、終齢または過剰脱皮して再度越冬した後、次年の夏に羽化する。飼育条件では、幼虫期間は25℃で5ヶ月、28℃で3ヶ月であり、成虫は平均30個の卵が入った卵鞘を6〜7日間隔で一生の間に約15回産む(緒方、1998)。
 生息環境は、常時水分の補給が可能な場所で、食堂の厨房、工場の洗水や冷蔵用放流水がある周辺、土間の積荷、湿潤な路地などがあげられる。屋外の生活では越冬の関係から1世代に2〜3年かかると推定されている。

防 除

詳しい防除方法は群のページをご覧ください。

キョウトゴキブリ(成虫)

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