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害虫の種別の説明

節足動物門 昆虫綱 コウチュウ目 ナガシンクイムシ科 Bostrychidae

チビタケナガシンクイ Dinoderus minutus (Fabricius)
ニホンタケナガシンクイムシ Dinoderus japonicus Matsumura
オオナガシンクイ Heterobostrychus hamatipennis (Lesne)

害虫のカテゴリ

建材害虫、文化財害虫、家具害虫、不快害虫

形 態

 チビタケナガシンクイは、体長約2.5 〜3.5mm、黒褐色〜暗褐色で、円筒形で、頭部の先端に細かな突起が多数見られ、触角の先端3節が太く扁平になる。 幼虫は体長3〜4mm、白色で、短い脚があるコガネムシ型。
 ニホンタケナガシンクイも良く似た形態であるが、やや細長くて赤みを帯び、胸部前方中央にある1対の小突起が大きく、かつ接近していることなどで区別できる。
 オオナガシンクイは8.5〜15.5mmと大型で、黒褐色、上翅後方に1対の突起がある。

分 布

 チビタケナガシンクイムシは世界各地の温暖な地域に分布し、日本全国に分布する。
 ニホンタケナガシンクイは、アジア、ヨーロッパ、オーストラリア、北アメリカに分布し、日本では、本州、四国、九州、対馬に分布。
 オオナガシンクイは東南アジアと日本の本州、四国、九州、沖縄に分布。

被 害

 チビタケナガシンクイは竹材の害虫として有名で、竹製品に小さな穴をたくさん開けて美観を損ねる。 壁土の中の竹材(マコイ)から大発生することも多い。ニホンタケナガシンクイも竹材から発生する。オオナガシンクイはラワン材を加害する。

生 態

 チビタケナガシンクイは成虫、幼虫ともに主に竹材を食し、成虫は春から秋にかけて年3〜4回発生する。竹材の糖分の多い箇所を食害し、肉皮や表皮は食害しない。竹材以外にラワン材なども食害することがある。越冬は成虫と幼虫で竹材の中で行われる。
 25℃が発育に最適条件で、成虫は竹材の割れ目や断面から穿孔して、中に数個ずつ合計10〜20個産卵する。卵期は3〜5日、幼虫期は約20日、蛹期は約5日で、最短約1ヶ月で成虫となる。羽化した成虫は脱出孔を開けることは少なく、既に開けられた穴を利用することが多い。羽化脱出孔の直径は2.5mm内外である。
 ニホンタケナガシンクイの竹材を食し、年1回の発生で、成虫で越冬する。オオナガシンクイは竹およびラワン材から発生する。羽化脱出孔の直径は5mm内外である。

防 除

詳しい防除方法は群のページをご覧ください。

特記事項

 外国産の竹製の民芸品や調度品を購入するときは不自然な穴が開いてないか注意する。
 美術品等の被害の場合は専門の駆除業者に頼んだ方がよい。

チビタケナガシンクイムシ

この害虫が属する群
この害虫のグループ
  • チビタケナガシンクイ Dinoderus minutus (Fabricius)