どんな虫にお困りですか?

害虫の特徴と防除

食品の害虫(3) コクヌストモドキ

特 長

 コクヌストモドキ類は甲虫目ゴミムシダマシ科に属する昆虫で、コクヌストモドキとヒラタコクヌストモドキの2種が特に食品害虫として重要な種類です。
 両種の形態は酷似しており、体長3〜4mm程度、細長く銅色で光沢があります。両種は触角の形状、複眼間の長さなどで区別できます。これらは小麦粉などの穀粉、ビスケット、チョコレートなどの菓子類、パンなどの2次加工品を加害する害虫として世界的に知られ、ヌカ、粉ミルク、煮干なども食します。コクヌストモドキは木材は加害しません。しかし、新築間もない一般家屋で大量に発見されることもあります。この場合には、食品がない場所で多数見つかることから、建材の種類が関係しているのかも知れませんが、原因についてはまだ良く分かっていません。
 このほか比較的近縁な種類で、穀粉上で見られるものとしては、ヒメコクヌストモドキ、コヒメコクヌストモドキ、オオツノコクヌストモドキなども知られています。これらは体長および複眼や頭部の形状で区別できます。

防 除

 他の食品害虫と同様に、餌となる食品は密閉容器などに入れて保管します。食品の滓や粉類の粉が溜まっていたら早めに掃除し、発生源を除去することが基本となります。特に米びつの周辺に米粉やヌカなどが溜まっていると発生源になりやすいので、日頃よく清掃しておきます。
 成虫に対してはピレスロイド系の殺虫剤を噴霧すれば殺虫できますが、薬剤に対して比較的強い虫ですので、しっかりと吹き付けます。虫が発生した食品にはエアゾールを吹きかけてただちに廃棄し、周辺を清掃します。市販の燻煙剤や全量噴射式エアゾールは、溜まった粉の中にいる虫まで全滅させることはできませんので、よく清掃した後で使用します。